精油の値段 大きなボトルの方が小さなボトルより大きく割安になる理由


たとえばティーツリーファームズのティーツリーオイルの価格。100mlボトルが3,200円なら、50mlボトルはその半額の1,600円、25mlならさらにその半額の800円、10mlなら320円になりそうなのですが、実際にはそうなりません。その理由はなんとなくご理解いただいているとは思いますが、今回はメーカーとしての立場より詳しくご説明しましょう。

オイルの量が半分になれば、オイル分の生産コストは半分になる・・・ボトルの中身に限ってはこれは正しい認識です。しかし一方で容器となるガラスボトル。実は100mlボトル50mlボトルも、そして25mlボトルについても、ボトル自体に大きな価格差はありません。むしろ100mlボトルなどと比較して汎用性の低く生産量の限られる25mlボトルの方が割高なくらい。キャップについてはどれも共通ですので価格差はなし。

そしてその他の生産コスト。ボトリングにかかる時間コストは100mlも25mlもほとんど変わらない上、ラベルなどパッケージングにかかる時間もほぼ同等。つまり大きなボトルも小さなボトルも同じだけの時間生産コストがかかります。
これらを積み上げていくと、結果、容量あたりのオイルを除く生産コスト単価で100mlボトル1本に対して50mlボトル2本なら2倍、25mlボトル4本なら4倍も割高になってしまうのです。10mlなら10倍・・・

一般的な他社エッセンシャルオイルメーカーさんが10mlボトルで商品販売されている中、ティーツリーファームズのエッセンシャルオイルが最小で25mlボトル、多くの場合で50mlボトル、100mlボトルという大容量になっているのは、より大きな容量を採用することで、お手軽な商品価格を実現させていただく工夫の一つなのです。

即効性! ティーツリーオイルが花粉症対策で注目を集めた時期がありました


もう10年以上前になるでしょうか、とある日本のテレビ番組でティーツリーオイルによる花粉症への対処療法のスタジオ実験が行われ、放送されました。
実験はシンプルなもので、花粉を撒いたスタジオ内での花粉症の症状に対して、ティーツリーオイルを数滴ドロップしたハンカチ(?)を口元に当てて呼吸し、その効果を確認する、といった単純な内容だったと記憶しています。

そして、ティーツリーオイルの持つ即効性により、多くの方の症状が即時に緩和された、という結果が伝えられました。
今では既に忘れられてしまっているかもしれませんが、オーストラリアではティーツリーオイルの活用方法の一つとしては広く知られているもの。
花粉やダストアレルギーなどでのつらい時期、もしお手元にティーツリーのボトルがあればお試しになってはいかがでしょうか。

最小でキロ単位? ティーツリーオイルが日本に初めて紹介された頃の話


日本にティーツリーオイルを売りたいんだ・・・2000年代の初頭、ティーツリーファームズではそんな売り込みの相談を様々な農園さんより受けていました。

「具体的には誰にどれだけ売りたいの?」
そんな質問に対して農園担当者の答えはほぼいつも同じで「誰でも良いから、持っている在庫を買ってくれれば良いんだ。取引はキロ単位だね。小さいのは面倒だから勘弁。。。」

当時、ティーツリーファームズでは徐々に日本向けのティーツリーオイル出荷量は増えていましたが、それでもまだまだティーツリーオイルは日本では無名な存在。売り込みに行ってもお茶のオイルと間違えられるような時代に、いきなり数十キロ単位で取引が成り立つはずがありません。
かくして、多くの農園や企業が日本向けの販売より脱落してゆきました。

こんな歴史があり、現在、ティーツリーオイルの小売マーケットにおいて、日本をはじめ世界各国ではアメリカなど、オーストラリア以外の企業の商品が広く販売されることになってしまいました。

ティーツリーファームズはオーストラリアの会社なので、ちょっと残念です。

「ティーツリー」がまだ「ティーツリー」と呼ばれていなかった頃


ネットでティーツリーオイルの情報を探していると、「ティートリー」や「ティートゥリー」などと言った表現を見かけることが多いかと思います。

実はティーツリーファームズが創業した1999年当時。ほとんどのネットや書籍媒体ではティーツリーではなく「ティートゥリー」や「ティートリー」などと紹介されていました。
しかし、「ティートゥリー」はパソコンのキーからはかなりタイプしにくく、一方の「ティートリー」では木のことを指して「トリー」とカタカナでスペルされることはほとんどありませんでしたので、かなりの違和感。

そこで当時の創業スタッフが採用したカタカナ名がティーツリー。「クリスマス・ツリー」のスペルがヒントです。そして時間がかかりましたが、現在ではウイキペディアなどを含めてティーツリーが日本語の一般的な表現として定着するようになりました。
当社のカタカナ名称が創業当初から「ティーツリーファームズ」なのも、もちろんこれが理由です。

もちろん、当時より当社以外にもティーツリーと表現していた方もありましたので、ティーツリーファームズだけの功績ではありませんが、ティーツリーオイル専業メーカーとして2000年代初頭より、日本ではほとんど知られていなかったティーツリーオイルをネットや数々の書籍媒体で当社が大きく紹介させていただいたことの影響も少なくはないのでは・・・と、ちょっぴりだけ自負しています。

重視する点は2箇所! シンプルなティーツリーオイルの品質の見分け方


ティーツリーオイルの成分分析表。「でも、そんなものを見せられても、品質が良いのかどうかわかりません」とおっしゃられる方が大半かもしれません。(それでも品質に自信がありますので、ティーツリーファームズでは全ての出荷ロットで分析表を公開しています!)

そこで、今回はティーツリーオイルの成分分析表のチェックポイントをご紹介しましょう。
チェックすべき点は「1,8シネオール(1.8-cineole)」と「テルピネン4オール(terpinen-4-ol)」の2点。ティーツリーファームズで公開しているティーツリーの成分分析表では6番目と9番目の項目です。

まず、「1,8シネオール」。この成分は刺激成分なので少ない方が好ましい品質。時折、ツンツンと薬品のような香りのするティーツリーオイルがありますが、これはこの成分の含有が多いことが原因。お掃除や消毒など、日用品グレードで十分な使用方法の場合、5%程度を目安にすると良いでしょう。香りを楽しむ目的ならプレミアムグレードに相当する3%未満のオイルを選択するのがオススメです。

そして「テルピネン4オール」。この成分はティーツリーの抗菌効果をもたらす成分。最も重要視されるべき成分で、基本的にこの割合は高いほど好ましいオイルです。以前は30%以上が基準値でしたが、2017年より新しくなったISOの基準値では35%とされています。
35%あれば十分な抗菌効果がありますので、35%から40%に近い数字が確認できれば良いでしょう。
時折40%を大きく超えるオイルも存在しますが、この数値だけが極端に高いオイルは逆に要注意。残念ながら「高品質を偽装」するために、針葉樹から抽出した成分を混ぜ合わせて数値を調整したオイルがアメリカなどを中心に散見されます(ACCC:オーストラリア公正取引員会の2016年の独自調査による発表)。
メラルーカ種以外のオイルがブレンドされていますので、この時点でISOの基準よりこのオイルばティーツリーオイルと呼ぶことが国際的に認められません。

色々な成分について記載されているティーツリーオイルの成分分析表ですが、大まかに品質を理解するためには、これからはまずはこの2つの成分をチェックしてみてください。

多くの農園が年に2回、ハーベストをする理由は?


大規模なティーツリー農園の多くの年に2回、収穫をしています。その理由はリクス回避。
大きくさえなればいつでも収穫できるティーツリーですが、時折、洪水などにより収穫作業自体が困難になることがあるのです。そうなると生産農家は資金的にも厳しくなってしまう・・・。

ティーツリーの収穫作業はハーベスターと呼ばれる専門家によって行われていて、刈り取ったティーツリーを専門の蒸留施設にまで持ち込んで蒸留するケースもあれば、畑に蒸留機を持ち込んで、刈り取りから蒸留までを一気に畑でしてしまう方法の2通りがあります。

いずれの方法も大型機械でのティーツリーの刈り取りが必要であり、ハーベスターのスケジュールも混んでいるため、大雨などにより畑が沼地化してしまうと物理的にハーベストができなくなってしまい、同時に次回のハーベストの時期(=資金の回収時期)が見通せないことに。
このような理由もあって、大規模な農園では資金的なリスク回避のため、ハーベストを年に数回に分けて実施しているのです。

※画像の右側はハーベストが終わった畑、左側はハーベストが行われる前の畑

ティーツリーのハーベストの季節はいつ?


果実を収穫するなら、毎年決まったハーベストの時期が存在するのでしょうが、ティーツリーの場合、「木そのもの」を収穫するため、そのハーベストは通年で、一年中行われています。
多くの農園では年に2回に分けて収穫を行なっています。その理由はまた別の機会に紹介するとします。

良質なオイルが一番よく収穫されるのは10月から12月の夏。新芽が青く色を変えて枝先に花を咲かせる頃ですね。
この時期のハーベストがオイルの含有量も多く最も理想的ですので、あえて収穫期は、というなら夏のこの時期と言えるでしょう。
ただ、実際にはほぼ1年中、収穫されています。

※画像は収穫を終えたばかりの畑の様子

赤みがかった新芽からティーツリーオイルを抽出すると・・・


8月下旬から9月頃、オーストラリアの春になるとティーツリーにも新芽がたくさん伸びてきます。その新芽の色は赤みを帯びています。これが夏に向かってだんだんと濃い緑に変化してゆきます。
では、この赤い新芽の部分よりオイルを抽出したらどうなるのか。

数年前、大規模な洪水によりティーツリーオイルが不足したことがあったのですが、これをカバーしたのが新芽を多く含む9月ハーベストのオイルでした。検査結果は4%にちかい、いつもならプレミアムグレードのオイルが抽出される樹木としてはかなり高い1,8シネオールの含有量。これがもし、日用品グレードのオイルが作られる畑だともっと高い含有になったことでしょう。
1,8シネオールはユーカリオイルなどの多量に含まれる刺激成分として知られ、ティーツリーオイルにおいてはこの成分が少ないオイルが高品質とされています。

結果、この時は緊急対応ということで、ごく短い期間でしたが1,8シネオールの含有の多いオイルを出荷させていただくことになりました。

ということで結論。赤みがかった新芽には1,8シネオールが多く含まれるのです。

※画像は11月撮影。新芽部分にはまだ少し赤みが残っています。

生産年表記の理由 お使いのエッセンシャルオイルは何年産のオイルですか?


ティーツリーファームズのエッセンシャルオイルには生産年を記載していますが、これはティーツリーファームズが「少し変わった会社」だから。

お店などで市販されているエッセンシャルオイルに生産年(保管期限ではありません)が記載されている商品というのは、おそらく見当たらないかと思います。この記載があるのはオイルの出荷総量が少ないメーカーさんにとってはキビシイかと。もしくは安定した香りを意図して出荷前に複数の生産年やロットのオイルをブレンドして出荷している会社さんには不要ですね。
そんなこともあり、エッセンシャルオイルをお使いの一般のお客様のほとんどは、その生産年を知ることなくエッセンシャルオイルをご利用いただいているかと思います。

対してティーツリーファームズのエッセンシャルオイル。たとえば2016年産と2017年産のタスマニアンラベンダーオイルは同じ農園で作られたにもかかわらず、 生産年の気候の違いによりその香りと成分構成に大きな差異が見られます。
ティーツリーオイルだって、生産年だけでなく、ロットが違うだけで香りや成分構成には違いがハッキリ。
生産年の記載は鮮度をご確認いただくことだけが目的ではなく、毎年の作柄による香りの違いもありますので、それをお知らせするためにも生産年、年に何度もロットが入れ替わる一部の商品では生産ロットも合わせてラベルに記載させていただいています。ワイン好きなティーツリーファームズのスタッフ達が始めたこの記載。

同じ農園でも作柄により毎年大きな違いが生まれるワインと同じく、エッセンシャルオイルにも生産年やロットによる香りや成分の違いがあるのです。
ぜひ、こうした生産年ごとの変化も一緒に楽しんでみてください。

鮮度の高いティーツリーオイルの決定的な違いとは


「ティーツリーオイルって薬臭くて苦手・・・」
こんなご意見をいただいたことがありました。しかし、この方が使っていたティーツリーオイルはオーストラリアのスーパーマーケットで売られている日用品グレードのオイル。しかも随分と以前に購入した、生産年不明のオイルでした。
そこでこのお客様にティーツリーファームズの新鮮なティーツリーオイルを試していただきました。

決定的な違いはそのグレードと鮮度。
グレードは刺激成分「1,8シネオール」の含有が5%以上と多い日用品グレードではなく、この含有量が2%台のプレミアムグレード。アロマ用途では当たり前の成分水準です。そしてさらなる決定的な違いは鮮度。酸化による劣化の進んでいないハーベストから半年以内のフレッシュなオイルをお送りしました。

後日、お客様よりいただいたご感想は「すごい違いです! ティーツリーオイルがこんなにグリーンで爽やかな香りとは知りませんでした」

このご感想をいただいた時、スタッフ一同、ニンマリ・・・。日本にまた一人、ティーツリーオイルのファンを増やすことができました。