新鮮なラベンダーの香りの変化を楽しもう


蒸留されてから最初の1年間でその香りがどんどん変化するのがラベンダーオイル。特に最初の半年間の変化は顕著に現れます。
蒸留より間もないラベンダーオイルの香りは青々しく、ちょっぴり尖った香り。リラックス効果が期待されるラベンダーオイルの香りにはそぐわない、刺激のあるスパイシーな香りですね。

多くのエッセンシャルオイルメーカーは安定しない香りを敬遠しますので、残念ながらこのような鮮度の高いラベンダーオイルが一般のお客様の手に渡ることは多くありません(事実、ティーツリーファームズで出荷しているニュージーランド産のラベンダーは安定した香りを重視して蒸留後、一定の熟成期間を超えなければ生産者より出荷されません)。

ということで、あまり触れることのできないフレッシュなラベンダーオイルの香り。しかし、ボジョレ・ヌーボーのワインを楽しむように、旬のフレッシュなラベンダーオイルの香りを楽しむのも希少な体験。
そこでティーツリーファームズではオーストラリア・タスマニアのラベンダー農園さんにご協力をいただいて、あえて毎シーズン、一番フレッシュなラベンダーオイルをお客様に出荷させていただいています。
毎年、出荷直後は青い尖った香り。これが大人になってゆくと穏やかに成長してゆく・・・この変化を楽しむ贅沢。
1年ほど経過しますと香りは熟成・安定した穏やかな大人の香りになりますので、落ち着いた香りをお好みのお客様は前シーズンのオイルをご選択いただくと良いかもしれません。

※画像は蒸留が終わったあとのラベンダーで肥料として使われます

クレームを生んだ、新鮮なラベンダーオイルの香りの顛末


「今年のオイルは香りが全然違うから返品したい・・・」。ヨーロッパの某有力エッセンシャルオイルブランドから輸出業者に入ったオーストラリア・タスマニア産のラベンダーオイルへのクレームでした。

クレームの原因となったのはオイルの鮮度。実はこの年のラベンダーオイル。農園が例年より早めに鮮度の高いまま出荷してしまったのです。
ラベンダーオイルは蒸留してから最初の1年間でその香りが大きく変化します。蒸留して間もないオイルは青く少し尖った香り。この香りが急激に変化し、徐々に熟成した穏やかな香りに成長してゆきます。

このクレームに対して農園では数ヶ月間、そのままの状態で置いてもらうことを提案。数ヶ月後に担当者の立会いのもと再開封すると、その香りはタスマニアンラベンダーの「いつもの香り」に変化を遂げていました。
そして、その場で出されていたクレームは取り消されました。

マヌカとティーツリーの抗菌力の比較は意味があるか?


マヌカオイルティーツリーオイルの○倍の抗菌力・・・そんな広告を目にしたことがあります。マヌカ関連の商品を販売する会社さんが商品をPRしたい・・・そんな気持ちはわかりますが、実際のところこのような比較にはあまり意味がありません。
その理由はこれらのオイルが全く異なる成分で構成されているから。

成分構成が異なれば、抗菌の有効成分も異なります。結果、高い効果がでる菌、そうでない菌といった違いができます。その中から都合の良い数字だけを持ち出して比較すれば「○倍」という数字は容易に作り出せるのです。

先にも書きましたが、これらのオイルは全く異なる成分を源泉にどちらも素晴らしい抗菌効果を持っています。数字のトリックに惑わされることなく、用途に応じて適切なエッセンシャルオイルを活用していただきたいと思います。

ラベンダーティーツリーオイルって?

ロザリーナオイル エッセンシャルオイル

ロザリーナオイル エッセンシャルオイル
しばしば誤解を受けるのが『ラベンダーティーツリー』というニックネームのオイル。ティーツリーとラベンダーのブレンドオイルだと勘違いされてしまいます。

正しくはティーツリーにとても近い種類の樹木「メラルーカ・エリシフォリア(Melaleuca ericifolia)」のエッセンシャルオイル。別名はロザリーナ。

樹木の見た目はティーツリーにとても似ていて、ティーツリー同様に樹木の枝葉からオイルが蒸留されます。しかしオイルにはラベンダーオイルに多く含まれるリナロールが40%前後も含まれ、花の精油を思わせるフォローラルな香り。そのままでも香りが楽しめるほか、ブレンドで利用する事で、その存在感を一層引き立たせることができます。

オーストラリア国内でもあまり多く流通していない、珍しく希少なエッセンシャルオイルです。

ティーツリーの畑に牛が歩き回っている理由


ティーツリーの木が延々と続く畑。その中に茶色い牛がうろうろ歩き回っている光景をしばしば見かけます。目的は放牧・・・だけではなく畑の除草。

広大な畑の除草は重労働。ましてや夏の炎天下での作業はきついだけでなく、危険でさえあります。そこで牛の登場。ティーツリーの木々の間に生えた雑草を根元からしっかり抜いて食べてくれますから、農家も牛もハッピーな関係に。

ちなみに、ティーツリーの木。こちらは美味しくないらしく、牛に食べられてしまうことはありません。

オーストラリア産ホホバオイルの絞りカスの行方は


ティーツリーファームズやQ’us(キュアス)で出荷しているホホバオイルはエキストラバージンの一番搾りオイル。では、絞り終えた搾りカスはいったいどうなるのでしょうか???

もちろん、2番搾り、3番搾りとどんどん段階を踏めばさらにオイルが抽出できますので捨ててしまうことはありません。では、行き先はどこか・・・農園さんに尋ねてみたところ搾りカスは輸出するそうで、その行き先は「アメリカ」。

アメリカで再び圧搾され、黄金色ではない、透明な色の精製ホホバオイルの素材として活用されるのだそうです。

これって産地偽装? かつてあったオーストラリア産ホホバオイルの表記


オーストラリアの法律では、たとえオーストラリア国内で生産されてないオイルであっても、オーストラリア国内でボトリング・パッケージングすることにより「オーストラリア産」と表記できる、そんなルールが数年前までありました。
このルールを利用して、オーストラリア国外から輸入したホホバオイルを国内でボトル詰めして「オーストラリア産ホホバオイル」として販売する・・・こんな方法で一時、オーストラリア国外で生産されたホホバオイルがオーストラリア産として流通し、日本を含む海外にまで輸出される事態に。
オーストラリア国内のホホバ生産者からも反発があり、これはさすがにまずいと思ったようで、オーストラリア政府は法律を改正。現在では「オーストラリア製・国産・及び輸入素材を使用」などといった表記が義務付けられるようになり、「産地偽装」とさえ言えそうな状況は改善に向かっています。

ところで、ティーツリーファームズQ’us(キュアス)で出荷しているのホホバオイルはもちろん本物のオーストラリア産。今も昔もずっと、オーストラリア大陸で育まれた、「真にオーストラリア産のホホバオイル」を出荷しています。

この事実に関するさらに詳しいお話はこちらをご一読ください。

悲劇! ケモタイプを間違えた中国のティーツリー農園


中国でもティーツリーオイルを作るべく、ティーツリーの栽培が始まったようです。しかし、時間をかけて畑を作り、栽培をし、そしてハーベストに至った、とある農園に起きた悲劇。それは、できたオイルがティーツリーオイルではなかった・・・・

ティーツリーオイルはISOという国際的な規格でその基本となる成分構成が決められているのですが、この規格を満たしたオイルが抽出されるのはティーツリーの木のうち、抗菌成分となる「テルピネン4オール」は十分に含まれる『テルピネン4オールケモタイプ』に区分される木から抽出されたオイル。つまり、見た目はティーツリーでも樹木のケモタイプが違うと全く違う成分のオイルになってしまう・・・

この農園が入手して植えたティーツリーは残念ながらティーツリーオイルとして商品価値のあるオイルを生む『テルピネン4オールケモタイプ』の苗木ではなかったことが今回の悲劇の原因でした。
ハッピーエンドを期待したいのですが、その後、この農園がどうなったかは残念ながら伝わってきていません。

ティーツリーオイルのできないティーツリーの木


ティーツリーオイルが抽出できないティーツリーの木がある・・・いったいどういうことでしょう?

実はティーツリーの木。様々なケモタイプが存在し、植物学上の分類ではティーツリーの木なのに、そこから抽出されるオイルは全く成分の異なるオイルというケースが実は珍しくありません。

農園に植えられているティーツリーの場合、ISOで決められた基準に沿ったオイルが抽出できる樹木をあらかじめ選抜しているので、このようなことはないのですが、自然に自生している木の場合となると話は別。
そのため、見た目はティーツリーなのにISOで決められたティーツリーの基準を満たさないオイル、時には全く異なる成分で構成されている「商業的に全くティーツリーオイルと呼べないオイル」しか採れない、そんなティーツリーの木が存在するのです。

ある農園主さんは「試しに畑のすぐ横に自生している大きなティーツリーの天然木を切って蒸留してみたところ、全く違うオイルが出てきたので驚きました」と笑って話してくれました。

ティーツリーの故郷は地割れする沼地


何も遮るもののない真っ青な空から熱い太陽光が降り注ぐ、そんなオーストラリア大陸。十数週間も雨が降らず、カラカラに乾燥した大地には地割れが。しかし、ひとたびまとまった雨が降ると、そこはたちまち沼地へと姿を変える・・・

しかし、こんな過酷な自然環境こそがティーツリーにとっての故郷。乾燥も沼地も、そして洪水による水没でさえ、ティーツリーのライフには全て織り込まれています。
こんな過酷な自然環境を乗り越え、毎年、初夏になるとフワフワの白い花をいっぱいに咲かせます。