誤解されている!ティーツリーオイルのペットに対する毒性問題を読み解く


2014年に発表された「Concentrated tea tree oil toxicosis in dogs and cats(高濃度のティーツリーオイルによる犬・猫への毒性)」という論文を根拠として、ティーツリーオイルを含むペットケア商品が犬や猫に対して有害であるという「誤解」が一部で広がっているようです。

研究は2002年から2012年の10年間に確認された、犬・猫の合計、443匹(内訳:犬337匹・猫106匹)に起きた、希釈されていない100%ピュアなティーツリーオイル( 0.1ml〜85ml)によって起きた中毒事故の症例を集めて集計したものです。このうち、うち395匹については意図的にティーツリーオイルが与えられたものでした。使用については「221匹(50%)の動物で皮膚、133匹(30%)で皮膚および口腔、67匹(15%)で経口」とされています。

さて、ここから誤解を解いてゆきましょう。
まず最初に、研究の対象となっているのが「希釈されていないティーオイル(100%TTO)」であるということ。ピュアオイルは強い成分を含有していますから、多量に肌へ塗布したり経口摂取すると犬や猫だけでなく、人間であっても中毒症状を示す場合があります(85mlも飲んだら即入院です!)。
しかし、一方で一般的なペットケア用品におけるティーツリーオイルの含有割合は1%未満、多くの場合で0.5%未満というのが平均的な数字ですので、その濃度には100倍から200倍以上の違いがあることに留意すべきでしょう。
つまり希釈のないティーツリーオイルによってもたらされる中毒症状をもって、100倍以上に十分に希釈されたティーツリーオイルが使用されているペットケア用品が同じ程に危険と考えるのは、あまり論理的とは言えません。

なお、1%未満にまで希釈したティーツリーオイルであっても十分な抗菌効果が期待できる例として、カンジダ菌に対するティーツリーオイルのMIC90(集団を構成する90%の菌株の発育を阻止する抗菌濃度)は0.25%であることが挙げられます。

2点目は使用箇所。犬や猫の場合、体や傷口を舐める習性がありますので、皮膚に使用された221匹のケースにおいても、最終的に口から体内に取り込まれている割合はかなり高いものと推測できます。さらに摂取されるのが希釈のない100%ピュアオイルですので一般的なティーツリーを使ったペット用品と比較して、中毒性を示す可能性は大幅に高くなります。

そして3点目はこの統計が「ASPCA Animal Poison Control Center database」という、動物に対する毒性症例を集めたデータベースから作られていること。症例数は443件となっていますが、毒性を示さなかったケースや報告に至らない軽い症状で終わったケースについては、そもそもこのデータベースには登録されませんので、全体の母数が示されておらず、この数字だけをもってそのリスクの高低を比較・判断する目安とはなりえません。

日本やオーストラリアにおいてもティーツリーオイルを配合したペット用品は現在もたくさん利用されています。強い抗菌力を持つティーツリーオイルは希釈されたものでも十分な抗菌力があり、スキンケアや傷口のケアなどにも活用されます。またペットの周囲に多いダニやノミの駆除にも大変効果的です。

たとえば「塩」だって、そのまま多量に食べると体には有害です。
すなわち、この論文の要点はティーツリーオイルのもたらす毒性の可能性にあるのではなく、ティーツリーオイルの動物への使用において、適度な量・濃度で使用することの重要さを示したものとして理解されるべきでしょう。

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