手作りだから作れる、「香り」だけでなく、エッセンシャルの「機能」を活用した石鹸とは


ティーツリーファームズのお客様には手作り石鹸を趣味にされているお客様も多くいらっしゃいます。
最初から薬品を混ぜて全部作る方法もありますが、最初は石けん素地を購入する方法が簡単。ネット上でも手作り石鹸用のキットが売られていますので、こうしたものを利用するのが簡単ですね。

石鹸作りでエッセンシャルオイルが使われるのは主に香り付け。100グラムの石鹸に対して10滴(0.5ml)程度、濃度は約0.5%程度というのが一般的なようです。
たとえば、ここにあと10滴のティーツリーオイル・エクストラクトを入れることで、香りだけでなく、ティーツリーの抗菌効果を加えることもできますね。

ところで、先日オーストラリアのフリーマーケットで見かけたのは5%近いユーカリオイル(グロブルス種)を入れた石鹸。エッセンシャルオイルの濃度はかなり高濃度ですが、その理由は激しい油汚れを落とすため。エッセンシャルオイルの特性をうまく活用したもので、グリースなどで手が真っ黒になってしまうことの多い自動車整備士さんや機械工さんに向けて作っているのだとか。
ここではユーカリオイルが使われていましたが、ティーツリーオイルやラベンダーオイルでも代替えできそうですね。

高濃度のエッセンシャルオイルが含まれた石鹸はその成分が使用者の体質に合っているかをしっかり確かめる必要がありますが(レモンマートルなどその成分上、高濃度での使用に適さないエッセンシャルオイルも多くありますので、十分に注意してください)、一方で日本では市販品として購入できることも少ないでしょうから、これは手作りだからこそ楽しめるものかも。
手作り石鹸でエッセンシャルオイルの「香り」だけでなく「機能」を一緒に楽しんでみませんか?

真冬に咲く、メラルーカの花を見つけました

ティーツリーの木が属する「メラルーカ種」の植物には様々な種類があるのですが、先日、海岸沿いの沼地近くで見つけたのがこの木。はっきりした種類はわかりませんが、メラルーカ種の木に特徴的なフワフワとした花と薄い紙を何重にも重ねたような柔らかい樹皮を持っています。
同じメラルーカ種のティーツリーより葉が幅広く、ニアウリより細い葉の木で、真冬のこの時期には珍しく(多くのメラルーカ種の木は春から夏にかけて花を咲かせます)たくさんの花を咲かせていました。
高さ6メートルほどの大きな木。メラルーカ種の木の多くは塩分にも強いようで、こうした海岸沿いの低地・汽水域の沼地にもしばしば見られます。

ところで「メラルーカ」と言うと「ティーツリーオイルの採れる木」だと誤解されている方も多いようですが、コレは某エッセンシャルオイルメーカーさんが商業上の理由でティーツリーオイルを『メラルーカオイル』と名付けたことが理由で(詳しくはこちらのリンク記事をご一読ください)、メラルーカというのは植物学上の分類で決してティーツリーオイルの採れる木だけを指すものではありません。

逆にオーストラリアではメラルーカ種の木とその近似種までを広く一括りにして「ティーツリーの木」と呼んだりしますので、コレもまた誤解の原因になっていて、理解をややこしくしています。

コレがティーツリーの畑の「隣」から飛んできたモノ


今日の夕方に空からフワフワと降ってきたものがコレ。ちらほらと降る雪のよう。

この正体はもちろん雪ではありません。「火山灰?」と思った方、いいえ、今のオーストラリアには火山はありません。

答えはサトウキビの灰。ティーツリーと同じ環境で育つのがサトウキビで、しばしばコレらの畑は隣接しています。
オーストラリアでのサトウキビの収穫は大型の機械で行われ、刈り取ったものがそのまま直接大型トレーラーに積み込まれて製糖工場に運ばれるのですが、この時、枯れた葉がそのまま付いているとかさばって搬送時の無駄になるほか、収穫時の作業の邪魔になります。
そのため、収穫の前に畑に火をつけて、こういった枯葉を収穫前に燃やしてしまうんです。多くの場合、こうした作業は火が見えてコントロールしやすいように、夕方から夜にかけて行われます(時折、日中にも行われています)。そこから熱による上昇気流に乗って飛ばされてきたものがコレでした。

でも、ティーツリー畑のお隣さんがサトウキビ畑だって、知らなかったでしょ?

その香りはレモン石鹸? 山椒? レモンユーカリの香りと魅力


アロマに少し詳しくなると多くの方が使ってみたくなるのが「レモンユーカリオイル」ではないでしょうか。その理由はその強力な「虫除け効果」。

その名前から想像すると、ユーカリのすっきりした香りにレモンの香りが加わったような、そんな香りをイメージしてしまいそうですが、実際は驚くほどに全く違った香り。
その理由は、一般的なユーカリオイルが80%前後の割合で含まれる「1,8シネオール」という成分を中心に構成されているのに対して、レモンユーカリの場合、この成分はごくわずか(2018年現在の出荷ロットEC-068の場合で1.4%)しか含まれていないから。一方でレモンユーカリにはシトロネラールという成分が75%から80%ほど(EC-068の場合で77.7%)含まれていて、成分構成上も香りの上でもこの成分が主軸になっているのですから、香りが全く違っていて当然ですね。

では、このレモンユーカリ、どのような香りがするのか?。名前からは「レモンのような香りのユーカリ」なのですが、これも少し期待はずれ。ちょっと年配の方なら子供の頃に学校などに備え付けられていた固形のレモン石鹸の香りを覚えていらっしゃいませんか? これと似ているため、オーストラリアでも「レモン石鹸みたいな香りだよね」と言われることがあります。
他にたとえるなら山椒の香り。ちょっぴりスパイシーで独特のクセのある香りは山椒の香りに似ているようにも思います。

こんなレモンユーカリですが、蚊が嫌う成分として知られる「シトロネラール」の含有量で他のエッセンシャルオイルを圧倒してダントツの虫除け効果が期待できますから、夏の蚊の増える時期に大活躍。ブレンドなどを工夫することで様々な香りを楽しみにながら、同時に空間の虫除け(殺虫ではありません)ができるのですから、ワクワクしませんか?
アロマを楽しむなら、その機能性で絶対に持っていたいオイルですね。

霞がかかるティーツリーの山・・・これってなーんだ?


霞がかかった大きな山・・・に見えるこの画像、実はティーツリーの山です。
どういうことかと言うと、この山はティーツリーオイルの蒸留機の横に積み上げられたものだから。

ティーツリーオイルは刈り取った枝葉を蒸留機に入れ、ボイラーで作られた水蒸気をパイプを通して蒸留機に流し込んで蒸し上げて、そこから出てくるオイルの成分を含んだ水蒸気をもう一度集めて冷却することで抽出されます。すなわち、「水蒸気蒸留法」というのがこれ。

そしてオイルが抽出された後に残るのが画像のようなティーツリーの枝葉なのです。実物は5メートルほどの山で、霞のように見えるのは蒸留後の余熱から上がっている蒸気でした。
この蒸し上げられた後のティーツリー。もちろん捨ててしまうわけではありません。
適度に柔らか、そして細かく裁断されているため、園芸用として最適。高温で熱されているため雑草の種子の混入も心配なく、また僅かですか、ティーツリーオイルの成分が残っていてカビが生えにくいため腐敗が進みにくく虫が好んで寄ってこないため、ウッドチップの代わりなどとして広く活用されています。

エッセンシャルオイルの魅力を活用して生まれたのが「ナチュラル抗菌タイプ」のホホバ


エッセンシャルオイルの魅力は香りだけではありません。
たとえばティーツリーオイル。その成分構成は化学的な研究が進んでいて、どの成分が有用なのか、どのような構成のオイルが好ましいオイルなのか、といったことが広く知られています。

こうした研究の成果はキュアスホホバオイルにも活用されていて、画像の「ナチュラル抗菌タイプ」のホホバオイルの開発につながりました。
ホホバオイルそのものには一定レベルの抗菌力がありますが、ティーツリーの優れた抗菌効果の源泉となる『テルピネン4オール』を配合することでこの効果を違ったアプローチから強化。保湿と同時に体臭の原因として知られる雑菌の増殖を抑え、同時に雑菌が原因となる様々なスキントラブルから肌を守ったり予防したり・・・そんな商品の誕生へとつながりました。

エッセンシャルオイルは深く知れば知るほどに、さらに魅力が増してゆきますね。

香りでリラックスするのに重視すべき点は「好きな香り」だということ


エッセンシャルオイルについて、その抗菌効果やスキンケア効果など、日常生活での活用方法といった面について取り上げられる事が多いのですが、アロマに触れるきっかけとして最も一般的なのは「香りを楽しむため」ではないでしょうか。
「好きな香り」には緊張感をほぐし、リラックスさせてくれる効果があることが知られています。

たとえばラベンダーオイルのようにリラックス効果をもたらす成分がたくさん含有されている、といった化学的な裏付けがされるものもありますが、嫌いな香りが満ちた部屋では精神的にリラックスできませんから、化学的な裏付け以上に香りに対する「好み」がリラックス効果の上では重要視されるべきかと思います。

ですから、アロマを始めたらまずは好きな香りを見つけてみましょう。第一印象も大切ですが、繰り返し使う事によって徐々に味わい深い香りになってくる時もあります。
その時の気分や体調によっても香りへの印象は異なってくることでしょう。同じ名前の精油でもワインのように産地や生産年によって香りが大きく異なるものもあります。ですので色々な香りに、そして何度も触れてみる事をお勧めします。

好きな香りを見つけたなら寝室やリビング、バスルームなどで活用してみましょう。ディフューザーやアロマランプで拡散したり、キャリアオイルと混ぜてアロマバスなどでも楽しめます。

ここで大切なのは好きな香りを複数見つけておくこと。同じ香りを毎日使い続けると嗅覚が慣れてしまい香りが感じられにくくなるからです。
結果、香りを感じるためにオイルの濃度がドンドンと高くなってしまう傾向があります。香りを定期的に変えたり、ブレンドを楽しみながら香りに変化を与えるのがアロマを楽しむコツと言えるでしょう。

アロマといってあまり難しく考える必要はありません。まずは好きな香りに満たされた空間で緊張感をほぐしながらリラックスした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

香りのコーディネートでは「香りそのもの」のほかに「香りがもたらす印象」を意識することが大切


ミントの香りで多くの方がイメージされるのがペパーミントスペアミント
オーストラリア産のペパーミントはその甘い香りに特徴があり、北米産などと比較しますとマイルドなことから「香りのプロ」の間でも高い評価を受けています。このペパーミントと同じ農園で生産されているスペアミントオイルが今回の主役。

ペパーミントと異なり、スペアミントにはメントールがほとんど含まれていません。メントールはスッとする清涼感をもたらす一方で強い刺激があります。つまり、スペアミントオイルにはメントールが含まれない分、穏やかな優しいミントの香りを楽しむ事ができるのです。

刺激が少ない分、他のオイルの香りとの干渉も抑えられるため、たとえばオレンジやグレープフルーツといった柑橘系の香りとのブレンドにも適しています。ミントと柑橘の組み合わせは夏場のニオイ対策としてルームスプレーやコロン、デオドラントなどとしてもおすすめですね。

また、香りには「香りそのもの」のほかに「香りがもたらす印象」という大切なポイントがあります。つまりその香りを嗅いだときに人々に連想させるものは何か、ということ。
スペアミントの香りは歯磨きやガムの香りとしても広く知られている香りですから、つまりこの香りがもたらすイメージはスッキリ感と清潔感。
香りをコーディネートする際にはこうした「香りがもたらす印象」を上手に活用することが大切なのです。
こういった面でスペアミントオイルは比較的使いやすい、組み合わせやすいオイルとしてお勧めのオイルです。

エッセンシャルオイルをケモタイプで分類することの重要さとは?


たとえばAの木から収穫したミカンはいつも甘いのに、Bの木から収穫したミカンはいつも酸っぱい・・・
植物学上の分類では全く同じ樹木なのに、この様な違いがある、いわゆる「木の個体差」がある事は皆さん、経験的にもご存じかと思います。

果実だけでなく、同じ事がエッセンシャルオイルでも起こりえます。つまり「個体差」により、抽出されるオイルが大きく異なるという事実。
この「個体差」は樹木そのものの違いに加えて遺伝子レベルでの違い、生育環境、つまりその土地の土壌や水質、気候など様々な要素が相まって生まれます。そしてこの「個体差」はオイルの成分構成の違いとなり、時にそれは植物学的には全く同一でありながら、化学的な解析上はエッセンシャルオイル全く異なる、といった事態を引き起こします。どちらも同じ植物のオイルなのに、オイルは成分も香りも全く違う・・・これでは困りますので、植物の種類に加えて抽出されるオイルの構成成分に応じて更に細分化した「ケモタイプ」と呼ばれる分類がされる事になりました。このように細分化されたオイルではローズマリーが有名ですね。

実はティーツリーにも様々なケモタイプが存在しています。その中で、抽出したオイルに最も価値のあるテルピネン4オールを多く含有するタイプの樹木、つまり「テルピネン4オール・ケモタイプ」の木が商業生産に適したタイプの樹木とし唯一栽培され(もし仮に間違えて他のケモタイプを植えてしまうと商業的な価値は全くありません)、現在ではティーツリーの木がイコールで「テルピネン4オール・ケモタイプ」という状況が生まれました。しかしこれは栽培された木の話で森に自生するティーツリーの木にはこれ以外のケモタイプを持つティーツリーが存在しています。

時折、○○オイルには△△という成分が××%ほど含まれる、といった表現がありますが、これはケモタイプの研究が進んで栽培による商業生産が行われている場合にのみ通じる話。未だにエッセンシャルオイルの多くは十分な研究が進んでいないため、同じ名前のオイルであっても生産地や生産者、生産ロットによってそのオイルの成分構成や香りには大きな違いが存在している事を理解する必要があるのです。

すぐにできる! エッセンシャルオイルを使ったルームスプレーの作り方


お部屋ニオイ対策などで活用されるのがルームスプレー。大手メーカーさんの除菌スプレーなども人気ですが、今回はオリジナルの香りで楽しむルームスプレー作りです。今回は乳化剤の添加のない、純粋なエッセンシャルオイルを使用する場合の作り方と使い方です。

作り方は簡単で、スプレー容器に水とお好みの精油を加えて、毎回使用する前に容器を振って中のオイルをしっかり撹拌するだけ。シンプルですが、ここでポイントとなるのはオイルの選択。
ウッド系などの粘性の高いオイルは撹拌しにくいため単独での使用は避け、粘性の低いオイルにブレンドするか、アルコールで少し希釈する必要があります。またシミになることを防止するため、色の濃いオイルは避けたほうが良いでしょう。

ブレンドにお薦めなのはティーツリーオイル・エクストラクト。強力な抗菌効果がその理由。抗菌・除菌スプレーに最適です。風邪予防など、これからの季節に活用していただけます。このオイル自体にはあまり香りがありませんので、お好みのオイルで香りづけをして下さい。リビングならレモンマートルペパーミント、寝室ならタスマニアンラベンダーロザリーナの香りなどはいかがでしょう。

ブレンドが難しいとお感じのお客様にはメディフレグランスの抗菌エッセンシャルオイルをご選択いただく方法も。

<用意するもの>
・スプレー容器
オイルの成分で劣化するため安価なものがお薦め。市販のお掃除スプレーなどの空容器の再利用も良いです。
・水 300ml
水道水よりペットボトル入の飲料水の方が長持ちするかも
・精油(エッセンシャルオイル)
【ブレンドの例】
抗菌用にティーツリーオイル・エクストラクト 20滴
香りづけにペパーミントやラベンダーなど 5〜10滴

これらを加えた後、使用前に容器を振ってしっかりオイルを撹拌してからスプレーして下さい。スプレーする際には目に入らなうよう気をつけましょう。